リーダーの仕事。
【FROM:院長・歯科医師 長谷川】
今日は、患者様の満足度を上げるための新しい取り組みの打ち合わせをしてたんだけど、その取り組みを実現するためには、そのプロジェクトメンバーには今までの経験、コンフォートゾーン(慣れ親しんだ場所)から飛び出ないとこの取り組みはできないという事が分かった。
本を読んだり、セミナーを受けたり、医院見学に行ったり。。。
これから更に新しい知識をインプットしないと実現することが難しそうだった。
「おお!いいねぇ!」
と私は声を出したが、チーフは心配そうな顔つきだった
「どうしてテンション下がってるの?」
と聞くと、スタッフ達の反応が心配だと言う。
スタッフ達から、
「大変そうだからその取り組みをやりたくない」
という反発が出てくるのではないかと。
この心配はとてもよく分かる。
「Z世代」
というのも、昭和生まれの私も何となく理解している。
正直言って私もスタッフに甘い方なので、チーフが何を心配しているか、何を考えているかはよく分かる。
しかし、リーダーの仕事とは何か?
よく考えてみて欲しい。
リーダーの仕事とは部下を成長させる事である。
それはつまり、
「部下に新しいチャレンジをする機会を与えること」
に他ならない。
人間は誰だって快適な方がいい。
仕事はストレスが無い方が良い。
だから、放っておくと快適な仕事のやり方を見つけて、そのステージに留まるようになる。
そうするとどうなるだろうか?
成長はピタリと止まる。
怖いのは、自分の成長は止まっているが、学校の同級生や同僚は成長していて、気がついたら自分だけが取り残されていることだ。
だからこそ、リーダーの仕事は部下をその快適な状態から引っ張り出してあげることだ。
今までやった事のない仕事をやらせる。
自分の力量より大きな仕事をやらせる。
これがリーダーの仕事だ。
もしかしたら部下には嫌がられるかもしれない。
しかし、部下を成長させるのは、いつも優しくて物分かりのいいリーダーとは限らない。
厳しくてうるさいリーダーの方がはるかに部下を成長させる。
短期的には部下に嫌われるかもしれない。
しかし、長期的に見て、部下が自分の快適ゾーンにいるままで本当にいいのか?という事を考えてほしい。
彼ら彼女らが年を取って、40,50になった時、市場に出て、まったくの戦力外になっている。。。
そんな状況にして本当にいいのか?
ということを考えてほしい。
もし親が自分の子供を育てる時、甘やかしてばかりで叱らずにいたらどうなるか?
厳しい状況や辛い体験をせずにのんびりと育ったらどうなるか?
親の本当の愛情は、子供に好かれようとする事ではなく、子供に厳しいことを要求して、将来の競争社会で生き抜いていく「力」をつけさせることではないか?
自立して自分の力で生活できるように「力」をつけさせることではないだろうか?
私が今回の取り組みに対して「おお!いいねぇ!」と感じたのは、その過程でスタッフが相当成長するだろうからと感じたから。
忘れないようにしよう。
部下の基準はリーダーが作る。
リーダーが与えるチャレンジの分だけ部下は成長するし、リーダーが与える仕事の基準が、その後の部下の人生でも仕事の基準になってしまう。
若い頃に低い基準を教わってしまった人は、30代40代でも低い基準を持っていて、どこに行ってもなかなか戦力として機能しない。
果たしてこれが優しいといえるか?
40代とかになってみないと分からないかもしれないけど、私の同級生を見ても、楽な20代、30代を過ごした同級生は40代になってから後悔していることが本当に多い。
40代で1からスタートし直すのは難しい。
だからこそ、会社という枠の外に出て、市場に出たとき、周りの連中を見て「楽勝だな」と思えるくらいに育ててあげないといけない。
リーダーの仕事は、部下にチャレンジする機会を与えて上げること。
そこに尽きる。